何!? なんでここで寝る!?

立ったままだよね!?

すごいな…。新しい特技?


「千秋の奴、ここ最近ろくに寝てなかったみたいだ。」


と史也が千秋を座らせながら言う。

座らせながらって…なんか変だな。


「え?」

「…沙奈チャンの事が明るみに出そうになってヤバかったらしい。」

「…沙奈の事が…。」

「対策考えたりとか、裏でいろいろ手を引いたりとか。」


…千秋も、頑張ってるんだね?


「バカだよな、コイツら。」

「…うん。」


って、コイツら?


「裕介も櫂も、もう少し自分の体のこと考えろっての。」


…確かに、あの人たちはバカだと思う。

自分の事よりも相手だもん。


「…勇士の事、気遣ってやれよ?」


その史也の言葉と同時にガチャリと開いた玄関のドア。


「おかえり~。」


と顔を覗かせてみた。


誰だ?


「ただいま。」


裕介じゃん。


「ご飯食べた?」

「いや、まだ。」

「じゃああたしが作ってあげるよ。」


なんか夫婦みたいだな。


「サンキュ。
ってかお前、料理できたっけ?」

「去年1年は自炊だったんだよ!?
嫌でもできるようになるよ…。」