「帰んないの?」


ボケッとしていたあたしに声をかける千秋。


「帰るっ!!」


あたしは千秋の横に並ぶと、少し微笑んだ。


「?」

「えへへぇ~♪」

「…キモ。」

「うるさい!!」


家族

その響きが、嬉しかったんだ。

自分で言ったんだけど…詩乃チャンも竣クンも一応社長サンだからね。
家にいなかったりするから…。


家に帰ると、史也がいた。


「おぉ!!」

「おかえり♪」

「…千秋と…2人?」


…あ。


「夕飯食べに行って来たのッ!」

「あぁ、なるほどね。」


納得してくれた…よかった。

誤解されちゃたら面倒だもんね。


「史也はもう夕飯食べた?」

「ん? 食って来たよ。」

「そっか!」


…あれ。


「どーしたの? ちークン。」


静かになってしまった千秋に声をかける。

初めてちークンって呼んだかも。


「…。」

「?」


顔を見ると…


「寝てるし。」