-キィィィィン…


そんな音が聞こえる空港。


あたしたちはこれから、アメリカに発つ。


「美希、忘れものねぇか??」

「無いからっ!!」


どんだけ心配してんの!!


「あ゛!!!」

「何。」

「婚約指輪忘れた!!」

「はぁ!?」

「あたしのお守りー…。」


あたしの記憶を呼び戻してくれたりしたから、
あたしにとって婚約指輪はお守り。

まぁ、もう役目は果たしちゃったんだけど。


なんせ、今あたしの左手の薬指にハマってるのは結婚指輪ですから♪


「ほら。」


そう言って勇士があたしに渡したのは、あたしの婚約指輪。


「あっ!!!」

「一応持って来といた。」

「さっすが勇士ー☆」


これはあたしのお守り兼、恋のしるしですから。

あたしが、勇士と恋した、あの日々のしるし。


「美ー希ーっ!! 勇士ぃー!!」

「行くぞ!! お前ら最後だ!!!」

「早くっ♪」


搭乗口で各々叫ぶ10人。


「今行くー!!」

「行くぞ、美希。」

「うん!!」



あたしは差し出された勇士の手を握って走り出した。

未来へ向かって…。




                   -END-