「あたしも構ってね??」

「怜奈サン!!」


怜奈サンはおばあちゃんの実の孫で、
今は東京に働きに出てるんだとか。


勇士も、おばあちゃんの実の孫。

ご両親は、事故で他界してるみたい。

おばあちゃんはそれを隠してたみたいだけど、
勘のいい勇士には通用しなかったって。


要するに、2人はいとこ同士。


「美希サン、勇士。本当にすまなかったねぇ。」

「ばあちゃん。」

「おばあちゃん。」

「幸せになりなさい。」


おばあちゃんだって、いい人。

あたしはこの3人が好きだったり。


「はい。」

「サンキュ。」


不意に、照明が落ちて、曲が流れる。

その曲の曲名は、
『君~美しき希望~』。


懐かしい、あの歌だ。


PVがスクリーンに映し出される。

制作が決まった頃、あたしはまだ誰も選んで無かったんだ。


そして収録中、あたしは勇士と付き合ってたんだけど…

スキャンダルのおかげで勇士とは微妙な感じだったんだよね。


『美希。』


暗闇に響き渡る皆の…10人の声。


「皆…。」


スポットライトで照らしだされる10人。