「ねぇ、勇士。」

「ん?」

「なんで今日式なの??」


披露宴の最中、豪華な写真のスライドを見ながら話す。

出て来る写真には、芸能人が多い…。


「明日からはアメリカだろ??」

「…知りませんけど。」

「…アメリカなんだ。」

「へー。」

「で、アメリカで式やったら…皆飛行機で来なきゃだろ??」

「そうだね。」

「その手間を省いただけ。」


なるほど…。

すっごい納得…。


「あと、明日、元哉と香奈が式やるから。」


あ、それは知ってる。

やっと知ってる情報が。


「だから、先越されたくなくて?」

「…。」


勇士。

あたし、今なぜか感動してる。


「そういうことで。」

「ん。」


そういえば、勇士のおばあちゃん。


勇士が、本気で想いを伝えたら折れてくれたそう。


なんでも、蘭サンと勇士の結婚は蘭サンのご両親の考えなんだとか。


世間を知るってことで勇士のおばあちゃんの元で育てられたみたいだけど…。

蘭サンのご両親はホテルの経営者だった。
いわゆる、お金持ち。

このホテルも、蘭サンのご両親の系列のホテルだったり。


「美希チャン、おめでとう!!」

「蘭サン…。」


蘭サンのご両親は、おばあちゃんから事情を聞いて、申し訳無いって勇士に謝ったんだって。