「ただいまー。」


ダンスを終え、千秋と寮に帰る。


「おっかえりぃ!!!」


と櫂のお出迎え。


「ダンス行ってたんだって??」

「うん。」

「で、どうだった??」

「楽しかったよぉー♪」

「よかったねぇっ!! で…記憶の方は…??」


裕介が喋ったんだな…。


「うーん…無理だったぁ。」

「そっかぁ…。」


結局、ダンスは楽しかったし、
自然と体が動いて…あたし前にダンスやってたんだって実感はあったんだけど…。


記憶までは無理らしい。


「期待してんたんだけどさー。」

「まぁ、しょうがないよっ♪ ゆっくり思い出せばいんだしさ!!」

「櫂…。」


優しいっ…。

…表だと。裏じゃ怖いけど…。


「勇士…。」


リビングに入ると、勇士と目が合った。


「ダンス、楽しかったか??」

「うん、楽しかったよ。」

「よかったな。」

「うん。」


温かな気持ちになるのはなんでだろう。


恋…とはまた少し違う気がする。

だけど…温かい。


家族といるかのような…ホッとする感じ。


なんだろうなー、この感じ…。