しょうがない、出すか。


ノロノロと一応冬服を出しておく。

冬服…暑そう。


「なぁ、美希。」

「何ささっきから…。」


あたし低血圧。

寝起きのテンションは超低め。


「まだ、思い出さねぇ??」

「…。」


もう1ヶ月。

いい加減思い出さなきゃって思う…。
思うけど…思い出せない。


「まぁ、思い出せねぇならそれでいーけど!」

「えっ…いいの!?」


突っ込みどころ満載だよ!?


「だって無理して思い出せるもんでもねーし…。

思い出されない方が好都合なこともあるし??♪」

「…はぁ??」


なんの話…??

好都合て…。


「嘘うそ。美希が思い出したいなら全面的に協力するけど。」

「うん。」


思い出したい…けど、確かに思い出そうと思って思い出せるもんでもないしなぁ…。

どうしたら思い出せるのかな…。


「ただいまー。」


間の抜けた声が玄関から聞こえてきた。


「千秋だ。」

「千秋かー。」


千秋に聞いたら何か分かるかなぁ…。

思い出し方とか??


千秋頭いいし、聞いてみるか!!!