「何も覚えてないの?」

「っ、覚えて…。」


覚えてたらこんなに悩んだりしない。


「なんで峰といんの??」

「み、峰が気を遣って…。」

「…ふぅん。」


何さ何さっ…。


「俺、峰は好きだよ。」

「えっ…BL??」

「…そういう意味じゃ無くて。」


ってか、俺って…。

僕じゃないんだ…??


「あ。」

「何? どうかした??」


そういえば、櫂には裏があるんだっけ…。

思い出した。


「なんでもない。」

「あのね、美希。」

「うん。」

「美希が俺ら以外といるの、見んの辛い。」

「え…??」


俺ら以外って…どういうこと??

俺ら以外って…何??


「い、意味分かんないっ!!」

「…分かんなくていーよ。」


そういって、櫂はリビングへ行ってしまった。

…何さ。
意味不明だよ…。


「…。」


あたしは放心状態になっていた。


記憶が無いからいけないの??

…早く、思い出せ、あたし…。