-翌日…


結局、家の車は迎えには来ず、峰と歩いて寮に戻ることになった。


「美希、ちゃんとダテメかけたかー??」

「かけたけど…なんでダテメかけなきゃなんないのさ。」


病院に来た峰は、いきなりあたしにダテメを渡してかけろと言ったのだ。


「お前一応芸能人だろ。」

「一応って…。」


あたしには記憶がないから…そんなこと言われてもピンと来ないんだけど。

あたし、芸能活動してたらしいね。


「ニュースでも取り上げられてんだぞ??」

「へー…。」


何々??

あたし、本当に結構有名だったわけ??


ってゆーか…あたしの頭の中から抜け落ちてる約2年間の間に、一体何があったの…??


「にしても暑いねー。」

「残暑ってやつだなー。」


もう9月も終わり。

10月になったら、一気に冷え込んでくる。


「着いた。」

「懐かしー。」


寮だ寮だっ!!

1ヶ月も離れてないけど…やっぱりここがあたしの家。
そう体が言ってるみたい。


「お前このまま部屋戻んのか??」

「うん。」

「じゃあこの荷物、玄関まで運ぶ。」

「サンキュッ♪」


部屋に戻るはいいけど…なかなか気まずいかも。


「…もしだったら、俺らの部屋来る??」

「へ…。」

「気まずいだろ、お前。」