♪美希 side♪


あたし、かなり大事なこと、忘れっちゃたみたい。


「美希。」

「峰…。」


峰は事故の責任を感じてなのか、毎日お見舞いに来てくれる。

なぜか、MILDとは時間をずらしてだけど…。


「どう? 体調とか。」

「大丈夫。」


…思い出せないけど。


そうしているうちに、だんだんと時間だけが過ぎて…

今はもう1週間経ってしまった。


「明日退院だよな?」

「うん。」


記憶の方以外は特に異常は見られないって事で、明日退院なんだ。


「そしたらそのまま寮に戻るよ。」

「ん、了解。」

「迎えにでも来てくれんの??」


嘘。どうせ、家の車が来てくれるだろうし。


「そのつもり。」

「へっ…。」

「お前の事故は結局俺に責任があるわけだし…。
こんくらい当然だろ。」

「そんな…気にしなくていいのに。」


これはあたしの本心。

…のはずだったのに


「気にするだろ。
現に…記憶だって…。」

「あ…。」


皆の事…覚えてないんだもんなぁ…。


「さすがに気にしないなんて無理。
だから、お前の記憶が戻るまで、当分側にいる。」

「わ、分かった…。」


何さ、峰のくせに。
一瞬…ドキッとしたじゃん…。