何気に心に刺さることを言うコイツら。

絶対わざとだ。


「うっし、着いた!」


裕介がルンルンでドアを開ける。


「美希ー!!」

「お前、ノックくらいしろよ…。」

「まぁそう言うなって♪」

「勇士が妬くぞー。」

「そうだそうだー。」


千秋も史也も…うるせぇ…。


「裕介、勇士、史也、千秋…。」


俺らの名前を呼ぶ美希は、どうやら元気そうだ。


「お前、大丈夫か??」

「えっと…よく分かんないけど、うん。」

「よく分かんないって何?? 頭打ってバカにでもなった??」

「やっぱりあたし、頭打ったんだ…。」


なんかすげぇトンチンカンなこと言ってっけど…本気で大丈夫か??
これ…。


「せっかく勇士が戻って来たのに…言うこと無し??」


史也がニッコリ笑いながら言う。

若干怖い。


「そう、櫂も言ってたんだけど…勇士…どこか行ってたの??」

「「「「は???」」」」


何言ってんだ、美希。


「…あたし、勇士と、何かあったの??」

「おい、ちょっ…美希!? お前何言ってんだよ…。」

「美希、もしかして…。」

「…可能性なら十分にありえる。」


取り乱す裕介と、何かを悟る史也、冷静に判断しようとする千秋。


俺はただ1人、暗闇にいる気分になっていた。