「美希ーっ!!!」


あたしに抱きついて来る櫂。


「櫂…。」

「よかったぁ~っ♪」

「ありがと。」


ポンポンと背中をたたく。


「皆心配してたんだよぉ!!」

「うん。」


皆には悪いことしたかも。


「峰も結構ダメージ受けてたけど…勇士も毎日お見舞い来ててね!?」

「勇士…??」

「帰って来たんだよぉ、ちょうど1週間前に!!」

「勇士…。」


なんだろう、この感じ。


スッポリ、抜け落ちた、あたしが忘れちゃったもの。

それって…


「勇士…。」

「そうだよぉ!! 今日から活動再開だよっ!!!」

「活動…再開…。」

「そうそう!! ほら、コレコレ!!」


テレビを見ると、記者会見みたいだった。


『突然の活動休止でしたが、どうして!?』

『こちらの諸事情ですので、お答えできません。』

『Miki☆との婚約破棄の件は!?』

『…それも、お答えできません。』


スーツなんて着てる、同い年くらいの男子。

勇士だ…。
存在自体は分かるらしい。


『活動再開おめでとうございます!! MILDにも復帰ですか!?』

『そうですね。』

『おかえりなさい!!』

『ありがとうございます。
明日、俺のソロのCDが発売になるんです。』