「逃げないで、ばあちゃん。」

「!!」


戸の所に立って、ばあちゃんが出て行くのを阻止したのは、怜奈だった。


「なんで向き合おうとしないのよ。」

「怜奈、退いとくれ。」

「ばあちゃん!!」

「ねぇ、ばあちゃん。私からもお願い。」


蘭も怜奈に加わって、形的には3対1になった。

ついにばあちゃんは諦めたらしく、


「分かったよ。」


そう言って、もといた場所に戻った。


「ばあちゃん。」


最初に口を開いたのは、蘭だった。


「ん??」

「私ね、勇チャンが好き。」

「ふーん…。」

「でもね、私、勇チャンの幸せを無視してまで結婚なんかしたくないの。」

「…。」

「まだまだ世界は広くて、出逢いだっていっぱいあるし…。」

「そもそも、なんでばあちゃんは蘭と勇士の結婚にこだわるのよ??」

「…。」


俺も確かにそこが大分気になる。


「…ふぅ。」

「「「???」」」

「もう、ばあちゃんも疲れたよ。」


そう言って、穏やかな笑顔を見せた。


「何も、ばあちゃん1人でこんなアホらしい計画立てたりしないさ。」

「は?」

「計画を立てたのは、蘭、アンタの両親だよ…。」

「!! 私…の…??」

「あれはもう、18年も前だったかねぇ…?」


ばあちゃんは、ゆっくり話しだした。