この日から、俺のチャレンジは始まった。


「ばあちゃん。」

「今ちょっと手が離せなくてねぇ…。後にしてくれるかい??」


話そうとしてははぶらかされ。


「ばあちゃん。」

「勇、ちょうどいいところに! これ、運んどくれ。」

「…。」


はぶらかされ。


「勇チャン…。」

「蘭…。」

「ばあちゃんね、私の話も聞いてくれなくて…。」

「…。」


予想以上にばあちゃんは曲者だった。


「ばあちゃんたら、あたしの話も聞いてくれないのよ??」

「怜奈もかよ…。」

「まったく、本当子供ねぇ…。」

「お前が言うなよ、それ…。」

「だってあたし大人だもん♪」


もう新学期が始まってる頃だろう…。


本当、急がねぇと…!!


「ばあちゃん。」

「なんだい??」


ばあちゃんとちゃんと話す機会ができたのは、最初に話をしてから1週間後だった。


「結婚の話なんだけど…。」

「…。」

「俺、本気で蘭とは結婚できない。」

「…あたし、洗濯物の片付けしないと…。」


そう言って部屋から出て行こうとする。


「ばあちゃん!!」


またはぶらかされんのか…?