♪勇士 side♪


”お前は蘭と結婚するんだよ。”


そう言われて、MILDを脱退して活動休止になってから、大分経ってしまった…。

婚約まで解消して…。


「勇チャン…。」

「蘭…。」

「私ね、ずっと勇チャンが好きだったの…。」

「…。」

「でもね、勇チャンが幸せなら私はそれでいいから…。」

「蘭…。」

「私は、本当に勇チャンが幸せになれる道を選んだ方がいいと思うよ。」

「…。」


どう返事していいか分からなかった。


「勇チャン。おばあちゃん、説得しよう。」

「…あぁ。」


神様ってのは意地悪なもんだ。

皆が皆幸せになれるようにはしてくれねぇ。


「ちょっと待った。」

「怜奈…。」

「それならあたしも協力する。」

「怜奈…!! ありがとうっ。」

「だけど」


…怜奈の言いたいことはなんとなくでも分かる。


「あのばあちゃんがそう簡単に納得するかしらね??」

「…あぁ。」


それには俺も同意だ。

でも…


「やるしかねぇ。」


俺には時間が無い。

これ以上待たせたら…美希の事だ、溜め込んでダメになるだけだ。


「頼むぞ、2人共。」

「りょうかぁいっ♪」

「頑張る…っ!!!」


…怜奈は完全に楽しんでるけど。

待ってろよ、美希…!