♫美希 side♫


「ねぇ、千秋。」

「ん??」

「勇士ってさ、謎だよね。」

「あぁ、まぁ…今に始まったことじゃないけどね…。」

「まぁねっ。」


あたしはずっと勇士を待ってる。

でも、寂しくもなる。


ずっと強いわけじゃない。


ってか、あたしただの弱い女だし!!!


「ねぇねぇ、勇士には勝てないけどあたしより頭のいい千秋クン。」

「一言余計なんだけど。」

「えへへっ…。
ねぇ、勇士、後どれくらいで帰って来るかなぁ??」

「美希…。」

「へへっ、やっぱ一応心配だから…さ。」


そう笑っていながらも、涙が溢れて来る。


「…強がんなくていーから。」

「っ…。」

「俺ら、仲間じゃん。俺らにくらい、弱いとこ見してよ。」

「ぢあ゛ぎ~っ!!」


熱のせいだ、熱のせいだ。

涙が零れちゃうのも、熱のせいだ。


熱が無けりゃ、こんな風に弱音吐いたりしないもん。


「ホントはね、すっごい寂しんだよ?」

「うん。」

「早く帰って来て欲しんだよっ…。」

「うん…。」

「好きなんだよぉ~…。」


腕で目を隠して大泣きしながら言う。


きっと、熱のせいだ、熱のせい。


「美希…。」

「っ…。」

「…。」


全部全部、熱のせいだ…。