美希はチラリと櫂を睨むとそのままお粥を食べ続けた。

ここ2年で慣れたんだろう。


「櫂、遅れるよ。」


時計を見てそう言うと、


「あ、本当だ。じゃあねっ!!」


って言って慌ただしく部屋を出て行った。


「…あたしときどき櫂の思考回路を知りたくなるよ。」

「…俺も。」


皆大分謎だけど、櫂は万年TOP2だから。

TOP1は勇士だけどね。


「9月ってさ、文化祭あるじゃん??」

「ん? そうだね。」

「今年は何やるのかなぁ~??」

「さぁね。」

「1年のときは…何やったんだっけ。」

「お客さんを返信させよう! 的な。」

「そうそう!! 懐かしい~♪ 何気楽しかったんだよね、アレ。」

「んで、午後の俺らのステージ発表のときに…」

「婚約ね…。」


懐かしいな…。

もうあれから2年も経つのか…。


…2年も経つのに、これといって大したこと無かったけど。


「今頃どうしてるのかな、勇士。」

「…さぁね。」

「なんで脱退とか休止とかしたのかな。」

「何か考えがあるんじゃない??」

「…だよね。」


本当に勇士好きだな、美希は…。


「美希。」

「ん?」

「…頑張れ。」

「…何ソレっ。ん、ありがとう。」


笑いながらそう言った美希。

俺は美希の笑顔が好きなんだからさ…笑っててよ…ね。