それにしても、この人の髪は漆黒だ。

巫女かと思ったけれど、男性だし。


それが分かった時は、すごく驚いたのだけれど。



近くで見ると、とても美しい髪だわ。

思わず触りたくなる。



そう思いながら、無意識に手が彼の髪に向かう。


……が、彼がピクリと動いた振動で私の手の動きも一時停止した。



「くわぁぁ~よく寝た」



大きく伸びをする時に見えた彼の顔を凝視していると、彼と目が合ってしまい…



「…あっ」


「……あんた、誰?」