「…………あまい」


あまい いちごみるくはわたしの泣きそうな気持ちを和らげてくれる。


なんで こんな甘いの?


いちごみるくは わたしの記憶を蘇らせた。






『過去』


わたしは


天井 苺-アマイ イチゴ-


昔からこんな名前嫌だった。


だって、漢字をちょっと変えると『甘い苺』に なるんだもん。


同じように、名前を気に入らない友達
胡桃 未琉紅-クルミ ミルク-


男だけど、産まれたとき女の子だと思われちゃったんだって。


だから名前が未琉紅。






わたしは、未琉紅が好きだった。


黙ってれば、顔はカッコいい。


成績だって良いほうだ。


さらに運動も出来る。


完っ璧!


でも、わたしが好きになった理由は違う。


未琉紅には、わたししか知らない性格がある。






未琉紅は結構甘えん坊。


二人っきりのときにしか見せない、特別な顔。


わたしは特別な未琉紅を見れるのが嬉しかった。


そして、そんな未琉紅にだんだん惹かれていったんだ。


「未~琉紅っ♪」


「おっ苺!遅ぇじゃん!すんげぇ待ったし」


未琉紅は毎日わたしを待っててくれる。


それが なにより嬉しかった。







「えへ。委員会長引いちゃって…寂しかった?」


そう言うと未琉紅は わたしの顔に自分の顔を近づけて


「ばーか」


って言うの。


それをされると、本当に顔が熱くなる。


「ごめんね?おいで♪」


わたしは いつも通りそう言う。


すると未琉紅は普通に抱きついてくる。


その姿は本当に可愛い♪







そして帰り道。


わたしはいつも未琉紅に送ってきてもらう。


甘えん坊だけど、ちゃんと男らしいとこ あんだな…。


って、毎回思う。


わたしの家の前まで来ると未琉紅は口を開いた。


「…分かってると思うけど俺、苺のこと好きなんだよな」


「へ?」


今、未琉紅がわたしを好きって言った?