「オイ、岩崎、やめろ。怖がってんじゃねえか」

私を助け出してくれたのは
同じクラスの男子でもなければ女子でもない。

面識なんてひとつもない・・・K高の人だった。

い、岩崎(イワサキ)っていうんだ・・・・。

「ちぇ、わーったよー」
「ったく、そのナンパ症は何年になってもかわんねーのな」

あ・・・

空気が変わった。

さっきまでイヤな雰囲気だったのに・・。
女子も、男子も・・・笑ってる。


つられて私も笑った。

「では、次はこっちです」


後で、お礼言わなきゃ。

私は心の中で、なんて言えば上がらないかな、とか考えながら校内を案内した。