「・・・・・・・保健室行くぞ」

それだけを言うと聖夜さんは私の腕を強引に引っ張った。

「!?べ、別にいいですよ!!千佐登も、圭斗さんも・・・笑ってないでさぁぁあ~~!!」



て、てか千佐登はもう立ち直ったの!?
な、訳・・・ないよねぇ


泣いてたし・・・

それに・・・今、私が泣きたい!!

うぅ~、他校進入・・・・バレたらどうしよう・・・。


カラカラカラ・・・・・

"保健室"と書かれた部屋に聖夜さんと私は入っていった。
ここまで会話ナシ。


・・・・気まずい。


「湿布・・・・のほうがいいのかな・・・・」

聖夜さんは私を椅子に座らせると一人でぶつぶつ言い始めた。


・・・・千佐登・・・・・本当に飯島って人の事、好きだったんだね・・・。

向こうはきっと、遊びだったんだよね・・。
ひどいよ。ひどすぎる・・。


・・・・戻ったら、その話題は避けなきゃ・・・。
心の傷を抉る必要なんて、ないもんね・・・・・



「・・・・・はぁ・・」


ため息をひとつ。

そういえば、聖夜さんどこ行ったんだろ?
足音とか、聞こえないし。

私はゆっくり顔を上げた

すると・・・・

ペタッ

「~~~~!!!!??」
頬に湿布が貼られた。

最初はビックリしたけど、熱がこもってた頬が冷たくなって、気持ちよくなる。


「ため息なんかついてると、幸せ逃げるぞ」

聖夜さんが私を覗き込むように言う。

「小さい頃から"ため息ちゃん"って言われてましたし・・・別に・・平気です」