これが僕らの勇者伝!

「さて、武器と防具を揃えるため、ナ〇コに来たわけですが…」

「ゲーム売ってるとこですか?」


「ナ〇コな…」


「楕円形で海にいる気持ち悪い…」

「ナ〇コな…」


「重い金属?」


「いやそれはナマリな。続けよ!ナ〇コで続くとこだろ今のは!」


「NA〇TOの扇子使い?」

「〇マリな…そっからまたボケ始めるな!はぁ…はぁ…」


「けん疲れない?ツッコミポジション。」


「てかなんでナ〇コに武器防具揃ってんだよ!」


「まぁまぁ、気にしたらダメだよ、けんくん。りよちゃん早く選ぼうよ~。」

「あ…はい…」



「女子のみんなぁ~、素敵防具探すのはかわいくていいけど、もうみんな『普通の武器』と『普通の防具』で決定してるから!」


「えぇ~!なんでぇ~?王様からお金もらったんでしょ?」

「そういえば聞いてなかったな。いくらもらってたんだ?」


「これだけ。」
財布チラリ。


「うわ!すくなっ!」

「王様のくせにこんなもん!?」

「宿代も保ちませんね…」



………キングっちめ!





バックショイ!!
《キングっちのくしゃみ!》

《50m先の門番が吹き飛んだ!》


ヒソヒソ
近衛兵A「すげぇ、くしゃみだけで門番が…」
ヒソヒソ
近衛兵B「てか王様が魔王んとこ行けばよくね?」


「みんな着替えた~?」

シャッ!

「てかなんだかんだで前の防具と変わんないな。」


「私はやっぱり…聖職服が落ちつき…ます…」


「んじゃ。行くとしますか!とりあえず山5つ越えた隣町に向かうよ!」


「………ここ予想以上に田舎だったんだね……」



「はい。じゃあ次ページからそこそこそれっぽい感じでお願いします。」

「…誰に頼んだんですか?」




深い緑に覆われた森の中

陽の光がわずかしか届かないこの森では

独特の孤独感と不思議な失意感に襲われる


人の手がつけられたことが無い大自然に取り囲まれた4人の少年少女は

魔王に捕らわれた姫を助けに行くべく


道の無い旅路を進んでいた




「はい、ありがとうございました~。」

ありがとうございます。


「これって…絡んでいいものなんですか?」

「まぁ、主人公と神が話してるならいいんじゃない?」


「…いいとも~?」


いいとも~!

「あ、返してくれた。」


「なに神ってそんなにアクティブなの!?」





《モンスター『ズライム』が現れた!》


「やぁん!青のぷよぷよがカツラかぶってる!かわい~!」

「…かわいい…」




「………きもいよな?あれ…」

「あぁ。きもい。…いや、ほら。女の子って大抵のものにはかわい~って言うじゃん?」

「どうやらあれはかわい~って言ってる自分がかわい~!ってらしいぞ?」


「ちょっとそこうるさい!早く倒すよ~!」


「はいはい、せん?どいてな。」

「へ?」


《ゆうやは爆雷を落とした!》

《ズライムは活躍も無く砕け散った》

《戦闘に勝利した!》


「はい終わり。はぁ~ダル…」


「………へ?うそ?」

「一瞬で倒した?」

「爆雷って…最上級魔法ですよ…?」


「だから俺勇者だっての…ちゃんと勇者適性試験をぶっちぎりトップで合格。魔法・体術・戦計全てを極めた存在だぞ?」


……なんか納得いきません!!(一同)


「え?じゃあもともとめちゃめちゃ強いわけ!?」

「私たちを連れてくる必要…あったんですか…?」

「お前普通キャラ的に弱いもんだろうが!」


「いや、そんなこと言われても…」




「ねぇ~疲れたよ~!日も暮れてきたし、休もうよ~!」


「そだな…。じゃあこの辺で野営すっか?」


「あの…すいません…ゆうやさん…」

「ん~?」


「その…近くに川があるので、ちょっと体を…洗ってきて…よろしいですか…?」

「あ!じゃあせんも行く~!」


「ん、了解。ならついでに水筒に水に入れてきてくれる?」


「はい…分かりました…いってきます…」

「きま~す!」


「らっしゃ~い…」




「さて、覗きに行くか?けん。」

「言うと思った!さらりと言うと思った!どうりで紳士的だと思ったよ!」

「分かってんじゃ~ん?な?行くよな?いいのかな~、せんはともかく、りよは見る価値あると思うよ~?」
ニタニタ…


「い…行かない!俺は賢者だ!そういうやましい心は捨てたからこそ賢者なんだ!」


「あ、そ。じゃあ野営の準備よろしく!」
スタスタ…










「行きゃあよかったかな…」
ブツブツ…

サアァァァァ…


「きもちぃ~ねぇ~りよちゃん!」

「はい…そうですね…」


「…………。」
ジーッ…

「……?ど、どうかしました?」


「………。」
ペタペタ…


フニフニ…
「ひゃんっ!」


「………まな板VS水風船……」

「……あ、あの…せんちゃん…?」


「ええぃっ!うるさいっ!触らせぇい!」(狂)

「いやあぁぁぁ…ぁぁぁぁ……」








「ふっふっふっふ…ストロベリーでスイートな声が聞こえるぜ…。待っていろよマイ天国(ヘブン)!」


「よし…ここさえ越えれば…。……ん?なんだこれ…」


《ゆうやは光の壁に近寄った》

《光の壁から電撃がほとばしった!》


「うおっ!あぶねっ!さては、りよだな…。覗き防止の結界か…。破れんこともないが…バレるしな…さて…ん?」

テクテク…


「お!?ここには結界が無い!ふ…りよめ、まだまだ甘いな…。俺の勝ちだ!」








「って、思ってるだろうね。」

「そうでしょうね。わざと結界張りにくい所に張りませんでしたから…」


「んで?どんなトラップ仕掛けたの?」

「とりあえずベタに落とし穴と…」









ガラガラドシャーン!
「ぬあぁぁぁっ!」






「で、それでも這い上がれるかもしれないので、『妖艶の幻術』の魔法陣を敷いてあります…。」

「妖艶の幻術?」

「はい。なにを見るかは人それぞれですが…、ゆうやさんなら抜け出せないでしょうね…」










「はぁ…はぁ…。やるな、りよめ!落とし穴とは古典的な…。だが俺には通用しない!……ん?なんだ?魔法陣?」



シュウゥゥゥ…


「なっ!?こ、これは……」








「今ごろ素敵な夢を見てるでしょうね…」

「戦計百式エロには勝てず…ってか…」







「おぉ!バニーちゃん!たくさんのバニーちゃんがぁ!」



うおぉぉぉっ!




「ふう、ただいま~けんくん。」

「ただいま戻りました。けんさん。」


「おう、おかえり。……あれ?ゆうや途中で会わなかった?」


「あ、ゆうやさんでしたら…途中で拾って行ってくれません?けんさんも体洗ってきてください。」


「………?あぁ分かった。じゃあ、火は絶やさないようにな。」

「はい。分かりました。」










「さて、失敗したあいつはどこに…」



うおぉぉぉっ!


「わ!なんだ!?……………落とし穴?」
チラッ…


「あ…バニーちゃん…そこは…。バニーちゃんかわいいよぉ…バニーちゃぁん!」


「こわっ!一人で狂ってやがる…。魔法陣…りよのトラップか…『解除』!」


シュウゥゥゥ…


「はっ!俺は一体なにを…」

「お~い、ゆうや~!上がってこ~い!」








「よっこいせ…。おぉ、けん。やっぱりお前も覗きに来たのか?」

「俺も後でりよから幻術習おうかな…?二人ならもうとっくに戻ったぞ。」


「マジかよ!?くっそ~…」


「お前ホントに…なんで勇者になれたんだ…?」