花束を供え、そっと手を合わせると目を閉じた。
今でも鮮明に思い出す。
響の笑顔。声。温もり…
ゆっくりと立ち上がり、俺は空に向かってつぶやいた。
「響…
あの頃の俺は弱かったね。
君を置いて、一人で大人になって行くのが怖くて、不安で…
この青空は、君を思い出すから…嫌いになろうと思った。
君と2人で見上げた、あの空を…どうしても思い出すんだ。
でも、これからはずっと、君の笑顔を思い出すから。
俺の大好きな君の笑顔を。
響からの手紙は、君が精一杯生きた証のようで…
君が生きた、最後の印だったから。
だから俺は、君を忘れたりしない。
君と出逢ったあの日。
出逢いは偶然だったけど、今でも俺は運命だって信じてるよ…?