「…そう、なのかな。
響は、幸せだったのかな…?」
お祖母さんは振り返り、優しい笑顔で言った。
「…ええ、きっとね」
俺の表情も、いつの間にか笑顔になっていた。
お祖母さんに別れを告げ、もう一度響のお墓に手を合わせる。
「響、今日やっと来れたんだよ。
ずいぶん時間かかっちゃったけど、ちゃんと響との約束守れそうだよ」
俺は目を閉じて、ふと思い出した。
あの頃の約束を。
『あたしは、もし生まれ変わっても…また、竜の彼女になりたいな」
『…何回でも彼女にしてやるよ』
そんな、軽い口約束。
“生まれ変わっても彼女にして、なんて…忘れて?”
……忘れない。
俺はこんなにも愛した人を、君の事を――――――絶対に。