「これから言う事は、この家で過ごすために必要な約束よ。
必ず守ってちょうだい」



「…はい」



「食事は一緒に食べない。
門限は6時。
必要以上に話しかけない。


……分かったわね?」



「……はい。
これから…よろしくお願いします」





そう言って、
あたしは涙が溢れそうな目をギュッと閉じて、頭を下げた。

叔母さんは、「早く行って」と言うように、あたしに向かって手をヒラヒラと振った。



部屋に入ると、あたしの目にはまた…涙が流れた。

あたしはその日、声も出さずに一晩中泣き続けた。



涙が、枯れてしまうんじゃないかっていう程ずっと。




こんなの、家族じゃない。
あたしの居場所は、どこにもない――…