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公園を出て少し歩いたところに、叔母さんの家はある。





「……はあ」





家に着き、あたしは大きく深呼吸をした。


あたしには、お母さんやお父さん。
大好きなお祖母ちゃん。


そして……
竜くんだっているんだ。

大丈夫。
あたしは、大丈夫。


自分に言い聞かせ、あたしはそっと手を伸ばした。


ピンポーン…



やけに、耳に大きな音が響く。
待っている時間が、すごく長い時間に感じる。


あたしはギュッと、自分の両手を強く握った。





「……はい」



「あ…こんにちは、響です」



「ああ…どうぞ入って」





興味なさげな叔母さんの声が聞こえて、玄関のドアが開けられた。

あたしはゆっくりと一歩踏み出すと、口を開いた。





「……おじゃまします」