***
「あとから来るから、響は先に学校に行っておいて?」
「はーい!!じゃあお母さんちゃんと来てよ!?」
「分かってるわよ。じゃあ響、いってらっしゃい」
「…行ってきます!!」
響は笑顔で家を出た。
でもこれが、響が家族と交した最後の会話だった……
「あっ、響おはよう」
「由希!!おはよー」
「またクラス一緒だよお!!」
「ほんと!?良かったあ」
仲のいい友達や新しい友達。
なにもかもが順調に進んでいるような気がしていた。
……その時までは。
《校内放送をします。
1年の坂田響。今すぐ職員室まで来て下さい。
繰り返し放送します――…》
「…え、あたし?」
「響、入学早々何かしたの?」
「え、何もしてないよーっ。
じゃ、あたし行ってくるね」
「うん。行ってらっしゃい♪」