だから、せめて大好きなあなたが…



心からの笑顔を、取り戻せますように…
心からの笑顔で、笑えますように…』





そこで、響からのメッセージは終わっていた。

再生が終わった後も、俺は何も言えずにただ黙っていた。



響は、最後まで1番に俺の事を考えていた。

俺は…どこまで馬鹿なんだろう…?



大事な人に、大切な人に…
ここまで言われないと気付かないなんて――…




「…竜くん…?」




電話先から、由希が俺を呼ぶ声が聞こえた。




「由希、俺響の所にいってくる!!」





俺はそれだけ言うと、電話を切って病院を飛び出した。


***


由希は、空に向かって笑顔でつぶやいた。





「響、ちゃんと聞いてた?
竜くんなら、きっともう大丈夫だよ…」