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俺は病院の、響の病室だった部屋の前にいた。
「はあ…」
大きく息を吸い込み、深呼吸をする。
この扉を開けるって事は、響の“死”を受け入れるって事。
……でも、きっと大丈夫。
俺はもう大事な事を教えてもらったから…
ガラッ…
今は人が誰もいない病室。
ベットに近付き、そっと腰を下ろした。
そしてそのままベッドの上に横になった。
「響も…こんな気持ちだったのかな…?」
独特な病院の臭い、真っ白なシーツ。
俺は天井をじっと見つめた。
目を閉じれば、今でも響の笑顔を思い出す。
「響…」
君は今、どこにいますか?