俺の言葉に、魁はもう一度ニコッと笑った。
「ああ、絶対大丈夫だよ。
きっとすぐに言えるようになるよ。
だって、響ちゃんに出逢って竜は変わった。…昔よりも、心がすげえ強くなった。
今までさ、お前負けず嫌いだからさ。
『悲しい』とか『悔しい』って…俺らに全くと言っていい程に言った事なかったんだよ?
だけど今、お前は俺に『寂しい』って、『悲しい』って言えた。
出逢えてよかった事、あるだろ?」
魁はそう言って、ゆっくりと背伸びをした。
眩しい光の中で、凛とした横顔をした魁は…
男の俺から見ても、とてもカッコよく見えた。