そうなのかな…?
俺が顔を上げると、魁は俺を見てニコッと笑った。





「魁はさ、考え方が大人だよな…


俺は今まで自分の事ばっかりで。
響がどんな気持ちで最後に笑ったのか、『ありがとう』って…『あいしてる』って言ってくれたのか、なんて…


全然考えてなかったよ。



今さ、俺の心の中に穴が空いてるんだ。
かなりでかい穴で、多分それは響の存在の大きさなんだ…



響は俺にとって…すげえ大事で、大きな存在だった。
響がいなくなってから、ずっと穴が空いてて…どうしてもふさがらなくて…


でもさ、『出逢ってくれてありがとう』って…『出逢わせてくれてありがとう』って、いつか心から思えるようになったら。





俺の心の穴も、少しはふさがるのかな…?」