涙を拭って、言葉が切々になりながらも…俺は魁に全てを話した。
「俺がさ、響に別れを告げられた日に…由希から本当の事を聞いて、響を探しに行ったんだ…
そしたら響、言ってたんだ…
『出逢わなければよかったのかな』って。
『出逢わなければ、幸せだったのかな』って。
だけどその時、俺は違うって否定したんだ。
でも今思えば、響の言葉は本当に当たっていたのかな?って思っちゃってさ…
辛いだけなら、苦しいだけなら…響とは出逢わない方がよかったのかな…」
ねえ、神様…?
もしも1つだけ願いが叶うのなら、【もう一度響を生き返らせて】なんて言わないよ。
だからせめて、俺たちがめぐり逢う前に時間を戻して欲しい。
なにも知らず、生活していた時に戻して欲しい。
そしたらきっと、こんな胸の痛みはないはずだから…