本当に、俺は弱い人間だ。
響がいないと何も出来ない。そしてその辛さを、なんの関係もない人に当たってる。
「ほんとサイアクだよ…」
「何が?」
今度は親友の魁[カイ]が立っていた。
俺は魁の肩に顔を埋め、小さな声で話し出した。
「魁、俺どうすればいいんだろう…?
分からないんだ。
自分が何をしたらいいのか、今までどうやって普通に笑っていたのか…
響がいないと、俺は何もできない。俺は、弱い人間なんだよ…」
魁は俺の背中をポンポンと撫でて、ただ黙って聞いてくれていた。
「響の事がどんなに大事なのか、響の事をどんなに想っていたか…
響がいなくなってから気が付いた。
俺は…本当に最低だよ。
彼氏って言う肩書きで、何も出来ずに隣にいただけ。
こんなんじゃ、響が幸せだったはずないよな…?」