「うそだろ…っ!?おい起きろよ…っ響…



―――――響ッ…!!!」





その後もう二度と、響が目を覚ます事はなかった。

最後に起きた、最高の奇跡だけを残して―――…




俺が覚えているのは、虚しく鳴り響く機械の音。


……そして響の笑顔と、

【ありがとう】
【あいしてる】



途切れ途切れだったけど…確かに、聞こえたんだ。
確かに、伝わったよ。



ねえ…響。


俺は君を、ちゃんと愛せていましたか?
君は俺といた時間、幸せでしたか?



そんな事ばっかりが頭をよぎって…涙さえ、落ちなかった。

冷たくなった君の手を、握り続ける事も出来なくて。




その日から俺は、笑えなくなってしまった。


辛い時こそ、いつも笑ってたはずなのに。

君がいなくなって…もう、そんな事すらも出来なくなった。



君が大好きだって言ってくれた笑顔で、笑えなくなったんだ……