俺はそっと響の手に触れた。





「ねえ、響…


また、2人で笑い合う日が来ればいいね……」





なんて、響はもう聞いてないのにな…

俺は触れていた響の手を、更にぎゅっと強く握った。



細い、小さな手…
そして今まで、俺の背中を押して支えてくれていた手。





「…りゅ……う…?」





細い、かすかな声が俺の耳に届いた。


うそ、だろ…?
俺が顔を上げると、響はうっすらと目を開け…微笑んだ。



そして――――…




「あ…り…がと、りゅ……あい…て…る…」





そのままそっと、目を閉じた。

その瞬間、響の目からは一筋の涙が流れた。





「……っ響!おい響ッ…!!!」





俺はナースコールを押しながら、必死に響の名前を呼んだ。