「そっか…
まじダセぇ…俺……
響の気持ちも知らないで…」
幸せだった俺の気持ちは、一気にどん底に突き落とされた。
実は今日、響と付き合って1年記念日だったから。
俺にとっては、すごく特別な日だったから。
「はあ…」
ため息をついて、目を閉じる。
だけど思い出すのは、響の事ばっかりで……
「響…何でなんだよ…?
ずっと一緒にいようって、約束したのに…」
俺の目からは、涙が溢れた。
頬を伝って、ぽたぽたと地面にシミを作っていく。
俺は急いで涙をぬぐい、こぼれないように上を向いた。
視界に映る、桜の木。
響との思い出が詰まった…桜の木……
目を閉じて思い出す。
今でも鮮明に覚えている、1年前の、今日の事を。