それから、俺は毎日病院に通った。

今までのように、
毎日毎日…たわいのない話をしていた。



今日は何があった、とかそんなどうでもいい当たり前の会話。

だけどそれさえ、俺にとっては幸せだった。

響が笑ってくれる事が、俺には何より嬉しかったから。



ガチャッ…





「おはよ、響」



「竜っ!もう、来るの遅いよっ!」





来るのが遅くなった日。

俺がドアを開けると、響は頬を膨らませてそう言う。


だけど、次の言葉は決まってる。


響は笑顔で、『来てくれてありがとう』って言うんだ。




だからそれが嬉しくて、毎日毎日君が好きになっていった。


カウントダウンは、もう…始まっていたのに。



それから数日たって、急に響が面会禁止となった。

それは、
“治療に集中したい”という理由。




だけどもう……この時に運命は決まっていたんだ。


君と俺の、別々の運命が。