「じゃあ…よろしくお願いします」





俺は軽く頭を下げながら、その部屋を後にした。

あの日から一週間経ち…今日から、響は入院する。



俺はその手続きのために、病院に来ていた。


響が、病院に入院した。

それは俺にとっても、響にとっても、２人で過ごせる時間のタイムリミットを意味している。





「はっ……キツ」





そうつぶやいて、軽くため息がもれる。

自分で決めた事なのに。

響じゃないとダメだから。
どんな状況でもいいから。
だから、俺とずっと一緒にいて欲しいって。




それなのに…この状況を、やっぱり納得出来ていない自分がいる。





「響には……


俺しかいないのに――――」





俺はこれからどうしたらいいのか…
これからどう響に接したらいいか…


―――もう、分からなくなっていた。