その日の夜、響は俺の家に泊まらせた。
俺の目線の先には、ベッドでぐっすりと眠っている響の姿。
俺はソファから立ち上がり、そっとベッドに近づいた。
俺のベッドには不釣り合いな、小さな身体。
昔と比べて…かなり細くなった。
俺は布団から少しはみ出た手に、そっと触れた。
……ポタッ
響の頬を、一筋の水滴が伝う。
さらに、ポタポタと流れ落ちる。
泣いていたのは、響じゃない。
―――俺だった。
「……っあ…ごめん…
ごめんなっ…響……」
涙は留まる事を知らず、次々に溢れてくる。
「守ってやれなくて……ごめんな…」
こんなに弱くてごめん……
だから今だけ、泣いてもいいかな?
…明日になったら、笑うから。