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「だってあたし…竜に迷惑かけたくなかったの……
あたし病気なんだよっ…!?
いつ死ぬか分かんないんだよ…?
そんな子が彼女なんて…竜は嫌でしょ…?」
響の頬を、一筋の涙が伝った。
俺は指で涙を拭い、そっと響を抱きしめた。
「……嫌じゃないよ?
だって元気な響も、病気の響も…
同じ一人の人間として代わりないだろ?
病気とか、そんなのは全然関係ない。
俺は…響が好きなんだ。
“坂田 響”が好きなんだよ」
「りゅー…ありがと…」
響はそう言うと、下を向いて涙を流した。
そんな響を見て、俺は思わず笑みがこぼれた。