「それならなおさらだよ……」




あたしはもう一度顔を上げて、竜を見つめた。

だけど竜は…
そんなあたしを、泣きそうな顔で見つめていた。




「どうして……

どうして何でも一人で抱え込もうとするんだよ…!?


もっと俺の事頼ってよ…
そんなに俺って頼りないかな……?」




竜はそうつぶやいて、寂しそうに笑った。




「……そんな事っ…!!」




そんな事ない。

竜は、たくさんの優しさをくれた。
竜は、たくさんの愛をくれた。



でも―――…
だからこそ、言わなかったんだ。

大好きだから。
竜にだけは…言えなかったんだよ…




「じゃあ…何で?」




竜はあたしの目を見つめて、言った。


……だって。
あたしのせいで竜が悲しむのは、どうしても嫌なんだよ。