***
俺は公園を飛び出した。
響を、探しにいくために。
「…何でっ…
何でいつもいつもっ…大事な事は言ってくれないんだよっ…!!」
なあ、響。俺は響が好きだ。
響が俺の事嫌いになっても。
例え…俺の前からいなくなったとしても。
「…クソッ!!!」
俺は道に転がっていた空き缶を、思い切り蹴飛ばした。
どうして俺は…気付いてやれなかった?
最近響の様子がおかしかったって。
元気がなかった事も、
いつも目が充血していた事も、
無理して笑ってた事も……
俺がちゃんと向き合えば、簡単に分かる事だったのに。
「…何でなんだよ…」
響の事大事にするって…約束したのに。
こんなんじゃ…嫌われても仕方ない。
こんなの、彼氏失格だよな…?
俺は頭のなかで、由希との会話を思い出していた。