「何で俺がそんな事っ…
由希に言われなきゃいけねえんだよ!?


…だいたい!!
俺の事をもう好きじゃないって言ったのは響からなんだしっ…!

……俺はっ!!」




俺ははっとして口を閉じ、小さな声でつぶやいた。




「俺はまだ…響のことが好きなんだ…」



「え…それじゃあ…!」




由希は掴んでいた俺の腕を離した。

そのまま下を向いて、小さな声でつぶやき始めた。




「じゃあ竜くんは知らないの…?何も…」



「…何のことだよ?」




由希は顔を上げて、もう一度俺の腕を掴んだ。
その時由希の目には、涙が浮かんでいた。





「竜くんっ…響を助けて…!!


――――お願いっ…!!」



「ちょっ…落ち着け!
どういう事か説明しろよ!!」




俺は由希の肩を掴んで、目を見つめた。

由希は涙目で俺を見つめて…
落ち着きを取り戻すと、ゆっくりと口を開いた。




「…あのね、響は――――…」