「ねえ、響どこにいるか知らない?

あの子何回電話しても出なくてさ……」




由希は心配そうに俺に話しかけた。


なんだよ…
せっかく忘れようとしてるのに…

その時俺は、なぜかそう感じた。


…心にも思ってもいなかった事なのに。




「さあ?
俺もう響と別れたし。


俺はもう関係ねえから」




俺はわざと、由希に対して冷たく返事をした。

でもその時の俺の声は…
自分も知らないくらい冷たかった。




「……え」




その途端、由希の顔色が変わった。




「竜くん…響と別れたの…!?」



「だからそうだって……」



「何で!?


……何でそんな事したのっ…!?」




由希は突然俺に掴みかかり、俺に向かって怒鳴りだした。


俺はそんな由希の腕を払いのけた。