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「……帰るか…」




俺が無意識にそうつぶやいて、ベンチから立ち上がった時。

もう、日は沈みかけていた。


どんなに待ってても…もう響は帰って来ないんだもんな…




響は今、どこにいるんだろう。
響は今、誰といるんだろう。



いつまでたっても俺は、響の事ばかり考えてしまう。

忘れなきゃ…ダメなのに。
忘れるって、決めたのに。




「……響…」




俺は“別れ”なんて、考えてもいなかった。


ずっとずっと、一緒だと思ってた。

当然のように、響もそれを望んでいると思っていた。





「―――…竜くん?」



「……由希」





名前を呼ばれて振り向くと、響の親友の由希が立っていた。