「広樹…手紙ってどういうこと?」

「僕ね、沙季さんのことが好きだったんです。それでね、沙季さんが亡くなる一週間前…告ったんです。もちろんフラれましたけどね」


広樹が沙季のこと好きだったこと知ってたよ。

でも、俺弱虫だから…

もし気付いたのがバレたら

沙季も広樹も離れていく

そう思ったんだ

だから必死に気付いてないふりしてた

「ごめん…」

「剛にぃは悪くないです。悪いのは僕なんです…沙季さんは剛にぃの彼女なのにね」

「…」

「あのさ、話聴いてると剛くんも広樹も悪くないじゃん。」

「「え…」」

「だって二人とも沙季さんを好きって気持ちを相手に押し付けてないじゃん」

「祐太…」

「祐にぃもたまには良いこと言うんですね」

「たまにはってなんだよ広樹!」

「ごめんなさ~い!」

「剛くん、言いたくないけど沙季さんは過去のひとなんだよ、剛くんは今のひと剛くんは今のひとを愛さないと」

「はは…そうだよな」

「剛にぃ、これ」

「…ありがと」

祐太に言われた言葉でなんか引っかってたものがスーッととれた感じがした

指に光るペアリング

今ならはずせるかな?