ガラガラっ

「剛くんっ!」

「剛にぃっ!」

教室に飛びこんできたのは祐太と広樹

きっと二人は様子のおかしかった俺を心配して追いかけて来てくれたんだろう。

そんな二人に心配をかけてはいけない

そう思った

「祐太、広樹どうした?なんかあった?」

作り笑いで無理に明るく笑って
得意の早口でまくし立てた


「剛にぃ…」

「剛くん、そんな辛そうな笑顔で俺たちをだませるって思った?」

「は…?」

正直…かなり驚いた

俺は沙季が死んでからどんなにつらいことがあっても

絶対に笑ってた

みんなそれに騙されていた

そうやって自分の気持ちを押し殺していた。

だから作り笑いには慣れてるはずなのに…

祐太と広樹は

騙されなかった