三年前―

「剛ちゃん…」

「ん…どした?」

「あのね…」

「うん」

「私、また入院することになっちゃった…」

「え、じゃあ卒業式は…?」

「…ごめん」

「…そっか。」

「ごめんね…一緒に卒業して、一緒の高校行くって約束したのに…」

「いいよ…俺は沙季が一緒にいてくれればそれだけでいい」

「ごめんね…」

「謝んなよ…」

「ごめん…」

泣きながらそう言う沙季が愛しくて

もう謝ってほしくなくて、

涙でぬれた唇に触れるだけのキスをした