4月

私は桜が散るなかで

音沢高校に入学した。


「奈緒~」

私の名前を
呼びながら駆け寄ってきたのは

親友の可夏

私は精一杯の笑顔を作る

「久しぶり~可夏、制服似合ってるね★」

「そぅ?奈緒も似合ってるよ!」

それから可夏と
たわいのない会話をしながらクラス発表の掲示板まで歩いていった。

「奈緒ーあったぁ?」

「あった!私、1組」

「えー…同クラじゃないじゃんっ」

「まぁしょうがないよ。可夏、何組?」

「えーっと2組!」

「じゃあまた遊びにいくね」

「うん★
ゴメン、私新入生挨拶だから行かなきゃ!またね~」

「えっ!?ちょっと可夏まってよっ!」

ドンっ

「!?…いったぁ」

「スイマセン、大丈夫ですか?」

顔を上げると

真新しい制服に身を包んだ爽やかそうな男の子が心配そうに私を見ていた。

「あ、ハイ。大丈夫です★」

「僕、彼方広樹っていいます♪あなたは?」

「私は藍沢奈緒。
彼方くんよろしくね!」

「1年何組ですか?」

「1組です。
ってゆーか、敬語やめませんか?」

「そうですね(笑)


「彼方くんは何組?」

「僕も1組!よろしく★」


「広樹~」

彼方くんとしゃべっていると、後ろから懐かしい彼の声が聞こえてきた。

「広樹、久しぶり!」

「久しぶり」

目の前に現れたのは
あの頃と変わらない笑顔の彼だった。

「ってか、もしかして…奈緒?」

「…うん
祐ちゃん?」

「まじ久しぶり!」

「あのさ、話読めないんだけど
二人はどういう関係?」

「幼なじみ!」

「へぇ~、あっ!俺は月島剛斗。
ちなみに生徒会長★君は?」

「藍沢奈緒です。よろしくお願いします!」