タンスの奥で
ひっそり眠ってた
茶色いポシェット
あの頃の私のお気に入り
タンスの奥に
そっとしまっておいた
あの日の記憶
あの頃の私と
あの頃のあなたの
2人だけの時間
ポシェットのポケット
そっと手を入れる
出し忘れてた
映画の半券
カップルチケットには
発行日限り有効の文字と
3年前のあの日の日付
使用期限ギレの恋
だけど
捨てることもできなくて
またタンスの奥に
そっと戻す
あなたが言った
おまえは強い女だと
だから私は泣くのをやめた
あなたが言った
おまえは猫のような女だと
だから私は気まぐれにあなたに甘え
時に冷たく振舞った
あなたが言った
おまえはやらしい女だと
だから私はあなたの身体だけを愛し
あなたの心を見ないようにした
あなたが言った
おまえはひとりで生きていける女だと
だから私はあなたに言った
彼女のもとに帰りなさいと
もう二度と私に会いに来ないでと
言葉など無くなってしまえばいいと思った
あなたへの想いを伝えることができないのなら
心など無くなってしまえばいいと思った
あなたへの想いでこんなにも苦しくなるのなら
私など無くなってしまえばいいと思った
あなたから想われることなく生きていくなら
くるくる回る洗濯機
全部全部入れてしまおう
あなたへの憎しみも
あなたを想う苦しみも
あなたに会えない悲しみも
全部全部入れて
くるくる回る洗濯機
寂しい
会いたい
恋しい
愛しい
苦しい
全部全部入れて
くるくる、くるくる
汚れたあたしの心
くるくる、くるくる
全部全部洗い流して
真っ白な愛にな~れ
照り付ける太陽
うだるような暑さの中
私は狂ったように
あなたを求める
重なる肌に感じる
あなたの熱
私の肌に染み入る
あなたの汗
ハードリカーの酔いに任せて
ただひたすらにあなたを求める
もっと激しく
もっと過激に
甘い言葉は
今はいらない
お願い離さないで
夏が終わるまで
もう少し…
あと少し…
未練がましく
今夜もあなたを
思い出す
美恋
美しい恋の思い出
未恋
未だ恋しいあなたの腕
身憐
独り寝の身を憐れんで
攣攣とあなたを想い
漣漣とただ涙を流す
真夏の夜に
捕らえられた私
甘い蜜に誘われて
あなたの腕に飛び込んだ
小さな虫かごの中
捕らえられた私
甘い蜜をむさぼって
あなたの腕の中
あふれんばかりのエネルギーをもてあます
もうすぐ夏が終わる
冷たい夜風が
私の肌に触れる時
私は小さな虫かごの中
永く静かな眠りにつく
もうすぐ夏が終わる
見つめ合うこともできず
ただ指先で語り合っていた頃
私たちはたぶん
恋をしていた
額をぶつけ合い
上目遣いの瞳で語り合っていた頃
私たちはたぶん
愛で繋がっていた
罵り合う口をふさぎ
口づけで語り合っていた頃
私たちはたぶん
間も無く訪れる
別れの時を感じていた
腕を絡め合い
脚を絡め合い
身体だけで語り合っていた頃
私たちはたぶん
孤独だった
心は絡み合ってなどいないから
何も語り合ってなどいなかったから
あなたの誘いを断ればいい
簡単なこと
ただそれだけ
だけど
久し振りに聞いた
あなたの声が優しくて
またあなたの誘いを
拒めない
あなたの嫌いなところを挙げてみる
簡単なこと
ただそれだけ
だけど
そんなあなたのすべてが愛しくて
またあなたの誘いを
待ち続ける